ドイツ式入れ歯
〜総入れ歯の歴史について〜
Dr.シュトラックによる総入れ歯の理論と歴史
稲葉歯科医院では、Dr.シュトラックの理論による総入れ歯をご提供させていただいております。
1949年、ドイツチュービンゲン大学のDr.Reiner Strackは、「入れ歯の安定」について、従来の入れ歯製作法則を否定し、口の周りの筋肉を利用することにより、入れ歯が安定する方法をを考えました。
口の周りの筋肉、唇、舌のバランスが取れるところで、もと歯があったところに歯を並べ、入れ歯が安定する方法を開発し、さらに顎関節に調和した人工歯を開発、特許を取得しました。
Dr.シュトラックは、今日世界中で広まっている総入れ歯の源流となります。
シュトラックデンチャーのコンセプトは、「入れ歯が顎関節を誘導し、すり減ってしまった顎関節に負担をかけずに本来の機能を取り戻す」ということ。
つまり、「入れ歯が顎の関節を守る」のです。
シュトラックの理論を引き継いだのが、Dr.シュライヒです。
稲葉繁先生は、Dr.シュライヒからオリジナルを受け継ぎました。
稲葉繁先生は、1978年ドイツ、チュービンゲン大学の客員教授として留学していた問いに、イボクラー社主催の入れ歯のセミナーを受講し、同社の補綴研究部長、Dr.シュライヒと出会いました。
Dr.シュライヒと稲葉先生はともにDr.シュトラックを尊敬することから親しく交流することになりました。
チュービンゲン大学では、日本の歯科医療教育による総入れ歯とは全く異なる医療教育が行われていて、稲葉先生は大変な衝撃を受けたと言います。
そして、ガンタイプのシリコン印象材が開発されたのを機に、「最終印象を上下顎同時印象で採る方法」を開発、発表しました。
Dr.シュライヒは引退する際、すべての資料やスライドを稲葉先生に託しました。そこには、Dr.シュトラックの理論と診療技術を受け継ぐ、「シュトラックデンチャーを絶やさないで欲しい、世界中に広めて欲しい」という願いが込められています。
〜Dr.シュライヒの経歴〜
- 1926年ドイツミュンヘンで生まれ、父親はワイン作りのマイスター
- ミュンヘンで歯科技工士の資格を取得し、その後矯正学を勉強ドクターの資格をとる
- リヒテンシュタインのイボクラー社で補綴研修部長となり、イボクラーデンチャーシステムを完成させる
- その後イボクラーデンチャーシステムを広めるため世界各地で講演
- ブラジル、サンパウロ大学から名誉博士の称号を受ける
- 1994年イボクラー社を退職
Dr.シュライヒはイボクラーデンチャーシステムで大きな業績を残しました。
- ナソマート咬合器はデュッセルドルフ大学のべドガー教授が開発しました。
- 印象はミュンスター大学のマルクスコルス教授のイボトレーを用いました。
- ゴシックアーチ描記のためのファンクショングラフはポーランドワルシャワ大学のクラインロック教授からヒントを得たものです。
- 人工歯はチュービンゲン大学のDr.シュトラックのオルソシット人工歯を用いています。
- 重合方法はイボカップシステムを開発しました。
これらのまとめ上げ総義歯製作の体系を創り上げたのが、Dr.シュライヒです。
義歯のコンセプトは尊敬するDr.シュトラック義歯の理論を応用しています。
稲葉歯科医院では、稲葉先生が直接ドイツで学んできた入れ歯の技術をご提供させていただいております。
治療の進め方や、サポートの方法などもご相談させていただくことができますので、遠慮なくご連絡いただければと思います。