入れ歯の種類
入れ歯の種類について
入れ歯の方はどのような種類の入れ歯を使っているのでしょうか?
自分に合った入れ歯を選ぶのは、沢山の情報が飛び交う中、探すのが難しいのではないでしょうか。入れ歯であることは、できれば他人に知られたくないため、知り合いに相談したり、口コミを探すことも、紹介してもらうことも難しい分野だと思います。
しかし、治療の方法によっては、「さらに歯を悪くしてしまう」のか、「残っている歯をできるだけ長く保つことができる」かの分かれ道になってしまうのです。 どのような入れ歯を選ぶかは、これから先10年後、20年後を見据えて考える必要があります。
ここでは、入れ歯の種類について、メリットやデメリットを交えてまとめてみました。
部分入れ歯、総入れ歯の種類
入れ歯は「部分入れ歯」と「総入れ歯」に分けられます。 部分入れ歯は大きく4つに分けられます。
部分入れ歯
部分入れ歯とは、1本歯を失った方から、最後の1本でも歯が残っている方が対象となります。部分入れ歯の種類は主に4種類です。
それぞれの部分入れ歯のメリット、デメリットについてお伝えしたいと思います。
保険の入れ歯
クラスプ義歯など
銀色のバネを使用して、残っているご自身の歯にひっかけて、部分入れ歯が取れないようにします。
- メリット
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- 複雑な装置がないため、簡単に作ることができます。
- 保険が適応されるので、費用が安くすみます。
- プラスチックの素材なので、軽いです。
- デメリット
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- 入れ歯の銀色のバネが見えてしまいます。
- バネをかけている歯に負担がかかってしまいます。
- バネで負担しているため、動いてしまい、噛みにくいと言われています。
- 材質が保険治療内で限られた材料のため、においや汚れ、着色がつきやすい傾向があります。
ノンクラスプデンチャー
スマイルデンチャー、パルブラスト、ミラクルデンチャーなど
金属の金具がない代わりに、ピンク色の樹脂で入れ歯を支える方法です。
- メリット
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- 審美的に優れています。(金属のバネを用いないため)
- 費用が比較的安く、製作方法も簡単です。
- 歯を削る必要がありません。
- デメリット
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- 入れ歯の沈み込みを防止するレストがないため、しばらくすると噛み合わせが低くなってしまいます。
- 歯にひっかける、ピンク色支えは、金属のクラスプ同様に歯を揺らしてしまいます。
- 耐久年数が低く、何度も作り直しが必要です。(金属を使った入れ歯に比べ、柔らかい素材のため)
- 経年劣化があります。(柔らかい素材のため)
磁性アタッチメント義歯
マグネットデンチャー
磁石の力を使い、入れ歯を外れにくくする方法です。
- メリット
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- 着脱が簡単で使いやすいです。(磁石で入れ歯を固定するため)
- 金属のバネが見えません。
- 外科的な処置がありません。
- デメリット
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- 神経の治療をする必要があります。
- 歯ぎしりをすると入れ歯が外れてしまうことが多くあります。(磁石は横にずらすと外れてしまうため)
- MRI撮影ができない場合があります。(磁石が入っている入れ歯は禁忌のため)
ドイツ式入れ歯 テレスコープ義歯
リーゲルテレスコープ、コーヌスクローネ、レジリエンツテレスコープなど
入れ歯の中に特殊な装置をつけることで、入れ歯を外れにくくする方法です。
- メリット
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- ブリッジと同じような装着感を得られます。
- クリーニングが行いやすいです。(取り外しができるため)
- 歯周病の患者様にも有効です。(入れ歯によって、歯を固定する効果があるため)
- 修理が比較的簡単です。
- 長期間使用できます。
- 夜もはめたままお休みいただくことができます。
- デメリット
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- 歯を削る必要があります。(ほとんどすべての歯を使うため)
- 完成まで時間がかかります。(150時間以上の技工作業がかかります)
- 歯の残っている部位によって、適応できない場合もあります。
- 神経の治療をした歯を利用すると、歯が根っこごと割れてしまう場合があります。
インプラントオーバーデンチャー
インプラントを土台にして、入れ歯を入れる方法です。
- メリット
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- 外れにくいです。(総入れ歯と違いインプラント埋入しているため)
- インプラントが抜けてしまっても、そのまま総入れ歯として使うことができます。
- 審美的にも優れています。(金具が見えないため。)
- 患者様ご自身でお手入れができます。(取り外しができるため。)
- 修理が比較的簡単です。
- デメリット
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- 全身疾患がある方、糖尿病がある方、自己免疫疾患がある方にはおすすめしていません。
- 入れ歯同様にお手入れをする必要があります。(取り外し式のため。)
- 最初は違和感があります。(入れ歯であるため。)
総入れ歯
総入れ歯は、すべての歯を失ってしまった方が対象です。 上下の顎の形を型取りし、口の中の筋肉と粘膜を利用して、入れ歯を支えます。
昨今、審美的にも機能的にも優れた総入れ歯を製作できます。
「総入れ歯だから…。」と、堅いものを噛むことや、思いっきり笑うことを決して諦めないでください。
入れ歯選びのポイント
それぞれの入れ歯には、メリット、デメリットがあります。 残っている歯をできるだけ長く保つための大切なポイントは、入れ歯の設計やデザインにあります。
歯がないところに入れ歯を入れるだけではなく、将来起こりうるリスクを考え、大切な歯を守ることができるような部分入れ歯を選択することが大切です。
当院は、その中でもドイツ式入れ歯テレスコープ義歯を専門にしています。 テレスコープ義歯について、詳しくはこちらをご覧ください。