テレスコープ義歯は何年使えるのでしょうか。
テレスコープ義歯の耐久性について、どのくらい使えるものなのか などご質問いただくことがあります。
長い間、テレスコープ義歯に取り組んできた当院だからこそお伝えできることがあると思いますので、ご相談にいらっしゃる前に、ぜひ目を通していただければと思います。
テレスコープ義歯の歴史
テレスコープ義歯は、1978年に当院顧問、稲葉繁先生がドイツよりその技術を日本に紹介をしてから40年以上となります。
当時、治療をした患者さまで30年を超えて使ってくださった方もいらっしゃいますが、ほとんどの方が高齢を迎えお亡くなりになられたケースもあるため、40年、50年追うのは難しくなってまいりました。
30年以上経過した方は、メンテナンスに定期的に来てくださり、歯を失っても修理をしながら使っていただいた方だと思います。
私自身、平成9年に稲葉歯科医院を開業しその間沢山のテレスコープ義歯の治療を患者さまにご提供させていただきました。
中には17年、18年使っていただいているリーゲルテレスコープ症例もありますが、残念ながら全ての方が長い間使えるわけではないことをお伝えしたいと思います。
もちろん、私たちはそれを目指しておりますが、患者様の骨の状態、歳を重ねることによる口の中の変化により、変わって参ります。
神経がある歯が多ければ多いほど、長持ちする傾向にありますが、ほとんどが失活歯(神経がない歯)の場合、5年〜10年で入れ歯が保てなくなってしまうケースもあります。
テレスコープ義歯の耐久年数
残念ながら一生使えるわけではなく、患者さまの歯の状態や、その時は良くとも体が変化するように口の中も変わってくるので、その時は新たに作り直しが必要になります。
特に、当院の患者さまはお若い方が多くいらっしゃいますので、平均寿命を考えるとその後、50年使うということは難しいです。
どこかで入れ歯のリニューアルが必要だと感じております。
昨日、メンテナンスにいらっしゃった患者さまの一例をご紹介させていただきたいと思います。
患者さまは、平成17年に初診で来院され、上あごはレジリエンツテレスコープという少ない本数を支えにして入れ歯を作りました。
下あごは、リーゲルテレスコープという、同じくドイツ式入れ歯で治療をさせていただきました。
現在、12年経過したテレスコープ義歯です。(2018年当時)
4本の歯を支えにしておりましたが、現在は上の歯を全て失い総入れ歯となっております。
長い間の中には、残念ながら歯を失うこともあります。
レジリエンツテレスコープの場合、総入れ歯の中に内冠という装置が組み込まれておりますが、今回の場合は修理をしてそのままお使いいただくことができました。
下の入れ歯、リーゲルテレスコープは、神経がない歯が1本割れてしまいましたが、他に支えとなる歯が7本あるために、補強をし、そのまま使っていただいております。
失った歯の部位や本数によっては、リーゲルテレスコープは使えなくなってしまうため、やり直しが必要になります。
治療内容
治療内容
上あごドイツ式入れ歯レジリエンツテレスコープ
下あごドイツ式入れ歯リーゲルテレスコープ
抜歯、即時義歯など含む
治療期間・回数
8ヶ月・10回
費用
上あごレジリエンツテレスコープ ¥1,500,000(税別)
下あごドイツ式入れ歯リーゲルテレスコープ ¥2,000,000(税別)
(自由診療)
リスク・副作用
清掃を怠ると歯周病が起こることがあります。
年月の経過により骨が吸収する場合もあります。
メンテナンスの大切さ
年月の経過によって、体に変化が起きるように、歯も同じ状態を保つことができなくなります。
私たちが入れ歯(テレスコープ義歯)の治療をするとき、なるべく長く使っていただくためにいろいろなことを想定して設計にとても時間をかけます。
そして、メンテナンスがとても大切なため、治療が終了した患者様には定期的な来院をおすすめしております。
テレスコープ義歯は、治療が終わってからが、長い患者様とのお付き合いだと思いますので、まずは10年使っていただくことを目指したいと考えます。
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