保険の部分入れ歯と自費の部分入れ歯の違いとは
こちらご質問は患者さまからよくいただくご質問の1つです。
今回は、この質問に対して患者様向けにご説明させていただきたいと思います。
歯を失うと「入れ歯」という治療方法があります。
入れ歯とはピンクの人工の歯茎の上に、白い人工の歯を補っている物を指します。
そして、これらを支えるために銀色のバネを使用して、残っているご自身の歯にひっかけて、部分入れ歯がとれないようにします。
こちらが一般的な保険の入れ歯です。
保険の入れ歯は保険治療ですので、費用は抑えることはできますが、見た目や噛むことなどにおいて様々なメリット、デメリットがあります。
▼保険の入れ歯のメリット
・複雑な装置がないため、簡単に作ることができる
・保険が適応されるので、費用が安い
・プラスチックの素材なので、軽い
▼保険の入れ歯のデメリット
・入れ歯の銀色のバネが見えてしまう
・バネをかけている歯に負担がかかる
・バネで負担しているため、安定しにくく噛みにくい
などです。
材質においては、保険治療内で限られた材料ですので、においや汚れ、着色がつきやすい傾向があります。
これらのデメリットを解消するために、様々な自費治療の部分入れ歯があります。
自費治療の入れ歯はとても多く存在しますので、3つのカテゴリーに分けてそれぞれ説明いたします。
①バネ無し部分入れ歯
こちらは先ほど挙げたデメリットの1つである針金のバネをピンクに替えた部分入れ歯です。
たしかに見た目は良くはなりますが、保険のその他のデメリットは残したままです。
このピンクの材質は少したわむような特殊な材質ですので、噛みにくいという患者様もいらっしゃいます。
また、材質の関係上、壊れたら修理が難しくなります。
②精密なバネありの部分入れ歯
これは保険の入れ歯のデメリットを軽減させようという入れ歯です。
一般的に「キャストパーシャルデンチャー」と呼ばれることが多いです。
残っている歯の状態にもよりますが、バネを見えにくいようにすることも可能です。
また、バネや入れ歯の中の金属のフレームが一体型になっていることもありますので、歯への負担を考慮することも可能です。
しかし、あくまでも針金のバネが支えているということは認識する必要があります。
③ドイツ式部分入れ歯
まずは、こちらの入れ歯をご覧ください。
先に挙げてきた入れ歯とは違い、どこにも歯にひっかけるバネのような物が見当たりません。
この部分入れ歯は、2重構造になっており、歯にキャップ(内冠と言います)を歯に被せてから、先ほどの入れ歯(外冠と言います)を装着するようになっています。
これをコーヌステレスコープ(正式名はコーヌスクローネ)と呼ばれます。
一般的に「テレスコープ」「テレスコープ義歯」と言われています。
▼コーヌスクローネのメリット
・ブリッジと同じような装着感を得られます。
・取り外しができるため、クリーニングが行いやすい。
・入れ歯によって、歯がしっかりと固定されるため、歯周病の患者様にも有効です。
・修理が比較的簡単です。
・長期間使用することができます。
・夜もはめたままお休みいただくことができます。
▼コーヌスクローネのデメリット
・ほとんど全ての歯を使うため、歯を削る必要があります。
・150時間以上の技工作業時間がかかるため、完成まで時間がかかります。
・歯の残っている部位によって、適応できない場合もあります。
・神経の治療をした歯を利用すると、歯が割れてしまう場合があります。
この入れ歯は白金加金(主にゴールドとプラチナの合金)で製作された内冠と外冠との良好な適合のみで維持しています。
適合と言っても単に被さっているわけではありません。
緻密に計算され製作された内冠と外冠のフィットで成り立ちます。
そのため、食事中や会話中は自然に取れることは少なく、意図的に患者様が外そうとしなければ外れにくいと言われています。
デメリットは歯を削って内冠を装着する必要があることです。
しかし、これはデメリットでもある反面、メリットにもなります。
それは、内冠を装着してあらかじめ入れ歯の中に取り込むことで、もしその歯が抜けても簡単な修理で継続して入れ歯を使用できるからです。
そのため、稲葉歯科医院では、入れ歯の中でも、このコーヌステレスコープをおすすめしています。
コーヌステレスコープにて治療ができる歯科医院は全国にありますが、コーヌステレスコープの本場ドイツと同じように治療している歯科医院および歯科技工所は限られているのが現状です。
稲葉歯科医院では、顧問の稲葉繁先生がドイツより持ち帰られた本場のコーヌステレスコープの技術で治療をしています。
ならびにWEBER dental labor でも本場ドイツと同じコーヌステレスコープの製作を行っております。
部分入れ歯のお困りの方は一度ご相談いただければと思います。
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