上あご奥歯がない方へ〜70代女性、ドイツ式入れ歯で治療〜

治療前の状態
患者さまは平成17年(2005年)より当院に通っていただいている方です。

全体的にセラミック治療などをさせていただいておりましたが、上あごの左右奥歯のブリッジを支えている歯が割れてしまい、抜歯をさせていただくことになりました。


これまで、メンテナンスで長く通っていただいておりましたが、今回の抜歯をきっかけに下の歯も含めて全体的に治療をさせていただくことになりました。
治療手順
全体的にかみ合わせが低くなってしまっていたため、セラミックもすり減ってしまっていました。
かみ合わせが低くなると、歯や顎に負担がかかり、口元のほうれい線が目立ち、口角も下がります。
今回は、全てのセラミックを外すことで、かみ合わせを再構成させていただくことになりました。
全てのセラミックを外すと、歯が割れていたり、虫歯が深かったり、上あごの奥歯はどうしても保存ができませんでした。
他には、下あごは神経の治療を行ったり、親知らずを抜いたり、並行して患者さまには歯周病の治療も頑張っていただきました。
とても積極的に通ってくださったおかげで治療もスムーズに進みました。

上あごは、前歯4本を利用したドイツ式入れ歯、AGCテレスコープ 。こちらは歯に直接被せる内冠です。



残っている4本の内冠の上から外冠を被せます。

下あごは、全てジルコニアセラミックで治療をさせていただくことになりました。
ドイツ式入れ歯AGCテレスコープとは
AGCテレスコープはドイツチュービンゲン大学で開発され、その手法は電鋳加工という方法が用いられています。
今、ドイツでは鋳造に変わり、電鋳や放電加工の技術が大変進んでいます。
ジルコニウムとゴールド、コバルトクロム合金とゴールドなどの複合などは、鋳造では不可能ですが、電鋳だからこそできるメリットと言えるでしょう。
全てゴールドを用いると、ゴールドは他の金属に比べて重いため、入れ歯が重くなってしまいます。
そこで、コバルトクロム合金と複合させることにより、軽さを出せる事が特徴です。
入れ歯の完成


精密に作られた、内冠、外冠は、お口の中でもぴったりでした。

下あごのジルコニアセラミックも美しいです。


患者さまの中には、歯ブラシをするのが苦手、一生懸命磨いているのだけど、どんどん歯が悪くなってしまう。などのお悩みをお持ちの方は多いと思います。
今回は、1年かけて歯の磨き方やケアをお伝えし、患者さまと共に歩ませていただいた結果だと思っております。
患者さまのお人柄、上品さに合った治療をさせていただく事ができました。
治療内容
上あご AGCテレスコープ
下あご ジルコニアセラミック
※抜歯、仮歯製作など含む
治療期間・回数
1年・15回
費用
上あごAGCテレスコープ ¥2,000,000(税別)
下あごジルコニアセラミック¥2,100,000(税別)
(自由診療)
リスク・副作用
年月の経過により骨が吸収する場合もあります。
清掃を怠ると虫歯になる可能性があります。
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流れ・ご案内
実際に先生と会って話を聞きたい。
自分にはどのような方法が合っているのか、治療方法や 期間、費用について具体的なお話を聞きたいという方には、入れ歯カウンセリングをお勧めしております。
入れ歯のお悩みを動画で解決
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