部分入れ歯で金具ではなく、目立たないタイプのがあると聞きましたが、はめ心地、耐久性などを教えて頂けないでしょうか。
部分入れ歯で金具ではなく、目立たないタイプのがあると聞きましたが、はめ心地、耐久性などを教えて頂けないでしょうか。
A金具が見えない、ピンクの樹脂で作られた入れ歯は、簡単に作る事ができ、費用も比較的安いことから、人気を集めているようです。
しかし、レジンなので強度を出すためには幅を広くしなければなりません。そのため部分入れ歯に必要なレストを付ける事が出来ません。
レストは部分入れ歯にとって無くては成らない物で噛む力を歯に歯の軸方向に伝達するために必要です。
私はこの義歯により支台歯を動揺させてしまっている事実を何回も見ています。その結果ほとんどのケースが抜歯に至っています。
したがって、当院ではこのような入れ歯は行いません。抜歯鉗子になってしまっているからです。
レストとは、力を伝達する役目、歯根の先端まで力を伝える役目を持っています。
クラスプは義歯が外れないために必要なものであり、レストが優先することを頭に入れて、
三次元的な診断することが大切です。
このような、入れ歯は、一見綺麗なようでも、結果が悪く、将来的に患者様からの信用を失ってしまうことにもなりかねません。
「数年使う事ができればいい。」
と思われるかもしれませんが、数年後は支えている大事な歯も失ってしまうでしょう。
その反面、テレスコープ義歯はその様な事は起きません。テレスコープ義歯は内冠と外冠の軸面で接触し歯を傾斜移動をさせる事がないからです。
特に、クラスプの場合には、何本も維持する歯が有っても歯に密着していても接着はしていません。その結果、義歯の動揺に対し歯の傾斜は避けられません。
テレスコープ義歯は、歯の傾斜移動ではなく、歯体全体を平行移動させるような力ですから、安定し入れ歯を動かすような事はありません。
ドイツでは、130年以上の歴史があり、世界的に信頼されているテレスコープ義歯は、
できる限り、歯をできる限り失わないように、設計されています。
簡単にできあがる方法と、時間をかけて精密に作られるテレスコープ義歯のクオリティーの違いは、実際に装着してみて納得していただけると思っております。
私の見解では、金具がない入れ歯は、ドイツでも行っておらず、近い将来なくなっていく技術だと思います。
関連する記事
入れ歯のお悩みを動画で解決
YouTubeチャンネル「入れ歯のお悩み解決!稲葉歯科医院」では、実際に入れ歯を使っていただいている患者さまの感想や、入れ歯の構造や仕組みについてもわかりやすく動画で解説しております。
こちらのページで動画をカテゴリ別に掲載しておりますので、お探しの内容をぜひご覧ください。